ねこの国3-02

【このお話は続きです。初めての方は「猫岳1-01」から読んでください】
2)
「ここが、えびまる王の部屋です」
お付き猫がドアを開けて、えびまるとレオが先に通されました。
「ぎゃー、犬だぁぁぁ」レオが叫んでえびまるの後ろに隠れて、えびまるのお尻にぎゅーっと爪を立てました。
「さっきの犬だ……。でも動かないぞ」
レオが恐る恐る覗いてみると、犬はふにょっとしていて、確かに動きません。
「当たり前です。ぬいぐるみですから」お付き猫が言います。
「ぬいぐるみ?」
「はい、ここは猫の国ですよ。犬がいるわけないでしょう」
「でも、さっきはあの犬、動いてた……」レオは不思議そうにお付き猫を見ました。
「王様が中に入って、犬の役をしていたのです。明日からはえびまる王が入るんですよ」
「ほぇ? 王様って偉いんじゃないの? どうして王様がそんなことしなきゃならないんだ?」えびまるが不満そうな顔をすると、
「いいですか? そういう他猫が嫌がることをするから、王様は偉いんです」
「ほぇ……」えびまるが分からない顔をしているので、3匹のお付き猫が次々に話し出しました。
「私たちは猫ですよ。みんななまけものに決まっています」
「何もしなくていいのが、猫の国のいいところ」
「王様が偉いのはみんなが嫌がることをするから」
「何もしないで偉そうにしているのは人間くらいのものです」
えびまるが、あわてて、
「あー、君達、だれか王様にならないか?」と聞きましたが、
「まっぴらごめんです」
「それでは、私たちは昼寝してきますから」
そう言って出て行ってしまいました。
「あれだけでっかいと、そうとう怖そうな犬になるだろうねえ」
「うはは、明日から来る猫たちはかわいそうだね」
そんな話をしながら。
レオはびくびくとぬいぐるみに近づいて、ちょんちょんと触っていましたが、
本当にぬいぐるみだと確認すると、
「うわぁ、えびまるさん、すごくよく出来ていますよこれ。ちょっと着てみませんか?」と、持ち上げて見せました。
「うー、明日でいいよ。明日で。それより、ご飯ご飯」
えびまるとレオはお腹いっぱいご飯を食べて、ぐっすり眠りました。
(続く)
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